Googleアナリティクス4がユーザーを識別する方法を理解する「デフォルトのレポートID」 [GA4]
今回はGoogleアナリティクス4プロパティ(以下GA4)がユーザーを識別する方法と、デフォルトのレポートIDの設定について解説します。
GA4がユーザーを識別する方法は3つあります。
「User ID」「Googleシグナル」「デバイスID」です。
この記事では、それぞれの方法の違いと「デフォルトのレポートID」の選択の仕方について解説しています。
Googleアナリティクス4プロパティが持つ3つのユーザー識別方法
より正確にユーザーを識別する方法から順番に説明します。
User ID
User IDは、個人を特定できない形で個別のユーザーを識別するための、Googleアナリティクスの機能です。
個々のユーザーに永続的なIDをふることで、デバイスやプラットフォームをまたいだユーザーの行動を識別できます。
従来のGoogleアナリティクス(ユニバーサルアナリティクス)では、管理ページにUser IDをオンにするボタンがありましたが、GA4にはそうした機能はありません。
自分で設定する必要があります。
User IDの設定については、Googleアナリティクス4でUser IDを設定する方法 [GA4]にまとめていますので覧下さい。
Googleシグナル
Googleシグナルは、次の条件が揃っているユーザーと関連づけられたサイトやアプリのデータのことです。
- Googleアカウントにログインしている
- 「広告のカスタマイズ」をオンにしている
つまり、この2つの条件が揃っていないユーザー関連のデータは送られてきません。
Googleシグナルは管理画面でオンオフを切り替えることができます(デフォルトではオフになっています)。
Googleシグナルでできること
◎クロスデバイストラッキング
複数のデバイスやセッションにまたがるデータを収集できます。
User IDが設定を用いていなくても、Googleシグナルがオンになってればクロスデバイストラッキングが可能です。
◎ユーザー属性やインタレストカテゴリのデータ収集
属性は、ユーザーのいる国や市区町村、性別、年齢、言語を指します。
インタレストカテゴリは、ユーザーが興味を持っている分野のことです。
Googleシグナル使用時の注意点
◎しきい値が適応されることがある
ユーザー属性(年齢や性別など)やインタレスト情報を含む情報については、ユーザー数が十分な数に達していないと(つまり「しきい値」を越えていないと)、その情報はレポートから除外されることがあります。
これは、個別ユーザーの身元が明らかになることを防ぐための措置です。
例えば、男性の数だけ極端に少ない場合、そのデータを表示すれば閲覧者が特定される可能性が高くなるというわけです。
◎ユーザー数が500人以上必要
Googleシグナルの情報をレポートに表示するには1日あたりのユーザー数が月間平均で500人必要です。
デバイスID
デバイスIDとはWebサイトの場合はGoogleアナリティクスのCookie、アプリの場合はアプリインスタンスIDを使う識別方法です。
これが最もベーシックな方法です。
User IDやGoogleシグナルからデータが取得できない場合は、デバイスIDを元にユーザーを識別することになります。
この方法だとCookieベースの識別なので、デバイスやブラウザが変われば、同じユーザーでも別ユーザーとしてカウントしてしまう可能性があります。
「デフォルトのレポートID」の違い
管理画面の「プロパティ」にある「デフォルトのレポートID」では、どのようにユーザーデータを取得するか選択できます。
User ID、デバイス別
User IDでデータを収集し、それが無い場合はデバイスIDで取得します。
さらにGoogleシグナルをオンにしてる場合は
- User ID
- Googleシグナル
- デバイスID
の優先順位でデータを取得します。
「User ID、デバイス別」をチェックして、さらに別ページでGoogleシグナルをオンにしておけば、最も多くのデータを取得します。
デバイス別のみ
デバイスIDだけでデータを取得します。
このチェックを入れて、さらにGoogleシグナルをオンにしていれば、
- Googleシグナル
- デバイスID
の優先順でデータを種集します。
「デバイス別」を選んでいた場合は、仮にUser IDが有効になっているユーザーのデータを収集しても、それは無視されます。
で、結局どれを選んだらいいの?
それは「どういう方針でデータを取得するか」によります。
ここまで見てきた通り、User IDやGoogleシグナルは特定の条件下でのみ収集されるデータです。
そのため、データが「Webサイト内でのユーザーの行動」以外の要因に影響を受ける可能性があります。
そのため、「一番詳細なデータが得られるUser IDを選んでおけば良い」というほど単純ではない部分があります。
Googleアナリティクスのデータ取得の特性を理解し、自社に最も合ったものを選ぶ必要があります。
最後までご利用頂き、ありがとうございました。